新聞発行部数の落ち込み止まず 最盛期よりも1千万部減少

 昨年末の1222日、日本新聞協会は協会加盟117紙の新聞総発行部数を公表した。毎年年末に公表しているもので、201510月までの1年間の総発行部数は4424万部。前年より111万部、2.5%減少したという。11年連続減少となっているが、新聞協会は14年の減少率は3.5%だったので減少幅は縮小したとしている。しかしピーク時の1997年には5376万部あったので、18年間で 950万部も減少したことになる。15年についてみると東京が4.5%、関東が3.4%と首都圏で高い減少を示している。

 新聞の発行部数の落ち込みの理由について、もっとも語られているのは「デジタル化」だ。インターネット、SNSの普及が新聞購読を減らしているという事実は紛れもない事実だろう。紙に印刷された新聞の部数は世界中で減少しており、ウェブ化に転身を図っている新聞社も少なくない。

 しかし強固な宅配制度、紙面というより新聞に挟まれた折り込み広告の量などによって、読者を固定させてきた日本の新聞が衰退の一途をたどっている理由を、デジタル化で片付けてしまうことは危険だろう。

 この数年、特に安倍政権が誕生して以来、新聞に限らず大手メディアに対する不信はかつてないほど高まっている。テレビでは、テレビ朝日報道ステーションの古舘伊知郎キャスターの降板や、TBSニュース23の岸井成格氏降板騒動など、安倍政権による露骨かつ目に見える形での圧力がまかり通っている。新聞でも慰安婦問題や福島第一原発関連での朝日新聞攻撃などの圧力が見えている。こうした安倍政権の介入に迎合するように、新聞・テレビが安倍首相の発言を一方的に垂れ流したり、真実を報道しなくなったという認識が国民の間に広がっている。こうした認識が新聞の部数減を招いている一因ではないか。その証左に読売新聞がかなりの部数を占めている首都圏で減少幅が高く、政権にもの申している地方紙が強いところでは落ち込みは首都圏ほどにはなっていない。

 その新聞協会は昨年暮れ、消費税率引き揚げに伴って導入される軽減税率の適用対象に新聞を潜り込ませることに成功した。このミソは「宅配の新聞」ということで、駅売り中心の新聞を外したことだ。政府と新聞協会が結託して、協会に加盟していない日刊ゲンダイと新聞アカハタ日曜版を狙い撃ちしたとも指摘されている。このためか食品関係の税率について、あれだけ連日紙面を割いていた新聞各社は自分たちのことについてはほとんど触れなかった。

 その日刊ゲンダイは16日付けの紙面で「税金で高級寿司、首相番記者の呆れた“ごっつぁん忘年会”」と、番記者と安倍首相の癒着ぶりを暴いた。安倍政権が戦前回帰を目論むような重大な局面で7、8人の「お友達」幹部記者と税金で豪遊したり、メディア各社の社長と会食していることは既に知れ渡っているが、幹部から現場記者までごちそう漬けになっている実態は、報道機関に真実を求めることは不可能と証明したようなものではないか。今年年末の新聞発行部数調査ははたしてどうなるのだろうか。

 

201617日)