東電福島原発のある福島県双葉郡有志が「未来会議」

避難解除になった町村から現状報告

 東京電力福島第一、第二原子力発電所を域内に持つ福島県双葉郡8町村の有志の手で「双葉郡未来会議」(平山勉代表)がつくられ、125日いわき市内でseason1と銘打った第一回大会が開催された。

 双葉郡の8町村は南から広野町、楢葉町、川内村、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村。東日本大震災前の人口は約74千人だった。2011312日の福島第一1号機と14日の3号機の水素爆発などを受け全町村民に避難指示が出て、町村を脱出。広野町は隣のいわき市に、楢葉町と大熊町、葛尾村は会津若松市に、富岡町と川内村は郡山市に、浪江町は二本松市に、そして双葉町は他町村よりも遠く離れた埼玉県加須市にそれぞれ役場機能を移し、互いに疎遠になった。また住民も近隣だけでなく、首都圏などで避難生活を送っており、離ればなれになっている。

 このため双葉郡未来会議のキャッチフレーズは「はなれていてもおとなりさん」。自治体の枠を超えて情報や問題点を共有、今後に役立てようという。ただ同じ双葉郡といっても、被災実態や置かれている問題などは異なる。広野町と川内村は既に避難指示が解除されて、一部の住民は暮らしている。楢葉町も今年9月、避難解除となった。その一方で、第一原発に近い双葉町、大熊町は帰還困難区域のまま。長期にわたって避難を余儀なくされている。

避難解除となった町村でも、帰還した住民はわずかという現状だ。

 こうした状況を受け、未来会議は3回にわたって各町村の有志から現状報告を受け、他の町村の置かれている状況を知るとともに、認識の共有から進めることとなった。1回目は避難解除となり実際に帰還して生活が始まっている広野町、楢葉町、川内村から報告。3月に予定している次回は避難指示が予定されている葛尾村と部分解除となりそうな富岡町と浪江町。6月の大会では帰還困難区域のままの大熊町、双葉町からと、それぞれ立場の似ている町村から報告を受けるという。

 5日の大会で報告した3人はいずれも帰還して町村内で生活しているが、放射能が消えたわけではないとして「生活を制限される地域に帰るということ」「戻るという人は戻る。戻らないという人に『戻れ』と強制しない」との思いをそれぞれ披露した。

 また原発構内の作業や除染などで多くの作業員が全国から集まり、広野町や富岡町のプレハブなどで暮らしているが、強盗や空き巣、暴行事件などが目に見えて増えているという治安問題を訴えていたのが印象的だった。

 未来会議とはいわき市で数年前から続けられている会議をモデルにしたものだ。そこでは問題意識を持った市民が自由に参加。相手を否定したり、会議でむりやり結論をつけるのではなく、様々なテーマを自由に語り合うことから未来を見据えていこうとしている。双葉郡未来会議が今後どう進むのか、新しい道を切り開くことができるのか、参加者の思いが決めていくことになりそうだ。

2015129日)