参議院での安保関連法制(戦争法)強行採決を受け、国会前や全国各地で反対運動を展開した市民たちは、次のステージとして「賛成議員を落選させよう」のスローガンで次の国政選挙での自公議員落としに重点を移そうとしている。

 では市民の立場で、どうしたらいいのか。その答えを考えようと、107日東京・憲政記念館で開催された「オールジャパン 平和と共生」総決起集会には会場の定員(500人)を大幅に超える700人以上が詰めかけ、登壇者のアピールを熱心に聞き入った。

 

 総決起集会は鳩山由紀夫元首相や、政治経済学者の植草一秀氏らが呼びかけたもので、「主権者が日本を取り戻す!」として、野党間の政策協定作りや候補者調整を見守るという従来のパターンを受け入れるのではなく、主権者の主導で1選挙区1候補者を選ぼうと提案した。集会では最後に「政党よりも政策」を重視①憲法破壊を許さず戦争法の早期廃止②原発再稼働を絶対に許さない③大多数の市民の利益に反するTPPの協定書名や国会承認を絶対に阻止④辺野古新基地建設を許さない⑤格差拡大ではなく格差縮小を目指す-で結集し、自民と補完勢力の公明、次世代の得票率に見合う25%の結集を目指すとの宣言を採択した。

 

 集会の発言で目立ったのは、今後具体的にどうするかという意見だった。『永続敗戦論』で話題を呼んでいる若手政治学者の白井聡・文化学園大学助教は「敵が何をしようとしているかはっきりしている。権力中枢には国民の有形無形の富を多国籍資本に売り渡して自己利益を確保するという覚悟ができている。国民は抵抗しなければ死ぬということだ。過去の(政党間の)あつれきはいい加減にして、多国籍勢力に抵抗できる人物、勢力で結集を」と訴えた。

 また『日米同盟の正体』や『アメリカに潰された政治家たち』などの著書のある元外務省情報局長の孫崎享さんは「どうして(安倍独裁という)こんなことになったかというと、一つはちゃんとしたリベラル層が結集しなかったこと、もう一つは日本のマスコミに問題がある。日本は崖っぷちにあり、リベラル層の結集が必要。共産党の役割は外せない」と指摘。マスコミと闘うために、一人ひとりがツイッターなどソーシャルメディアを身に付けるよう訴えた。

会場には共産党副委員長の小池明参議院

議員も来ていたが、こうした意見に押されて壇上に立ち「安倍政権は倒すしかない。倒して新しい政府を作るしかない。そのためには選挙で(野党が)協力するしかない。極めて単純で真っ直ぐ、本気な提案を行った。国会を取り巻いた数万人の声に応えるのが政党の責任であり、私たち(共産党)も脱皮した。21世紀の市民革命を」と声を張り上げ、喝采を浴びていた。

 小池副委員長の発言で目立ったのは、これまで国会前での演説で必ずあった「わが党は」という唯我独尊的な言葉を使わなかったことだ。いみじくも語った「脱皮」。国会前で何度も聞いたSEALDsのコール「ノ・パサラン」「ファシスト通すな」が重なった。

 「ノ・パサラン(やつらを通すな)」はスペイン人民戦線政府に参加したスペイン共産党幹部のドロレス・イバルリ・ゴメスが発したスローガンだ(啄木鳥No23「数十年ぶりに熱い夏がやってきた」参照)。国際共産主義運動はこの直前、「味方でないものは敵」から「敵でないものは味方」に大転換し、共産主義者はリベラルに結集した。今回、日本共産党も「敵でないものは味方」との立場で回答を出したのだろう。次はどこが回答するのか?

 

 7日の夜は、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委」も都内でトークショーを開催、主催者発表で1750人が参加した。安倍首相の期待に反して、あまり忘れっぽくない国民がまだまだおり、政党へのお任せから一歩前に出ようとしていることを物語っているのではないか。

2015109日)