啄木鳥「自分で放射線を調べて子ども主体の対策を」

シャローム災害支援センターの吉野裕之さんが訴え

 

東京電力福島第一原発事故後、自ら被災しながら福島市で避難者を支援するとともに、歩道や公園の放射線測定を続けているNPO法人シャローム災害支援センター(福島市)の吉野裕之さんがこのほど横浜市内で開かれた「ふくかなトライアルセミナー」で講演し、事故後福島市内で継続している路上の放射線測定結果から「福島県や市など行政は平均値を示しているが、実際に子供たちが歩いたり遊んだりするところでは場所によって線量が異なる。具体的に自分たちが生活するところの線量を調べて、自分や子供たちの身は自分たちで守ることが必要」と訴えた。

 

▽危険な樹木の樹皮周辺

吉野さんが講演で特に懸念を表明したのは、木々の樹皮に付着している放射性物質。元々樹木の根本は根がじゃまになって表土の除去が十分行われていないため放射線量が高くなりがちだ。しかし樹皮に付着しているセシウムボール(ホットパーティクル)は直径2~2.6ミクロンと極めて小さく、薄く張り付いているのでガンマ線を測ると高い数値にはならない。しかし個々のボールの線量は高く、木登りなどをして吸い込むと内部被ばくの危険性が高まると警告している。

原発事故から6年以上経って、いまだに生活を脅かしている放射能。帰還者も帰らない

人も、除染の実態を把握する必要があるという吉野さんは次のような教訓を訴えている。①事前の知識の取得②放射線モニタリング③日ごろから風向きの確認④ガソリンなどの備蓄⑤安定ヨウ素剤の確保(携行)⑥緊急時の情報収集(リテラシー)⑦日ごろからの地域間交流(避難先確保)⑧平均値ではなく、個別の数値で判断。

このうち安定ヨウ素剤は行政から配布されるのを待つのではなく、自分で入手を試みる

べき。アマゾンでも通信販売しており、いざという時に備え絶えず携行することが身を守る手段と指摘した。

(2017年5月22日)