「六ヶ所村再処理工場運転の無期限延期を」 パグウォッシュ参加者有志が安倍首相に書簡

 

 長崎で原爆投下後70年にして初めて開かれた、核廃絶を求める科学者たちによる第61回パグウォッシュ会議は5日、「長崎を最後の被爆地に」とする長崎宣言を採択して閉幕した。しかし、その翌日の6日、パグウォッシュ会議事務総長のパウロ・コッタ・ラムジーノ伊ミラノ大教授や、フランク・フォン・ヒッペル米プリンストン大教授(元ホワイトハウス安全保障補佐官)ら国内外の科学者31人が、安倍晋三首相に六ケ所村でのプルトニウム再処理計画を「無期限延期」するよう求める書簡を送っていたことは、ほとんど報じられなかった。

 

 書簡はフォード米元大統領が1976年、世界に対し「関連した核拡散リスクに対処できるようになるまで」プルトニウムの燃料としての使用を延期するよう呼びかけたことは、今でも正しいアプローチだと指摘。

 プルトニウムの利用を今放棄しても(経済的に)失われるものは何もなく、一方で国際的な安全保障の面で得られるものは相当あるとし、分離済みの核兵器利用可能なプルトニウムを既に50トンも保有している状況では、「(再処理開始は)他の国に不幸な前例を作って示すことになり核不拡散の障害になる」と、強い調子で六ヶ所村再処理工場運転無期限延期を訴えた。

 その上で、軽水炉からの使用済み核燃料、行き場のないプルトニウムを巨大な空気冷却キャスクで乾式貯蔵するよう提案している。

 

 5日に採択された「長崎宣言」では、核保有国に対して核軍縮の促進と核廃絶の確約を求めるとともに、非保有国に対しても「核の傘」に依存せず非核地帯の創設など安全保障政策の変革を求めた。日本はプルトニウムを分離、再処理しようとしている唯一の非核保有国であり、参加者有志という形ながら、核軍縮や核兵器の専門家が集まって六ケ所での再処理計画は東アジアだけでなく、世界に新たな緊張をもたらすとの懸念を表明したことは、日本の原子力開発にも影響を与えそうだ。

2015119日)