中央構造線沿いに続く地震は、南海トラフ巨大地震の前兆か 熊本だけではない「熊本地震」

 

 414日夜、熊本県益城町中心に最大震度7を観測した地震に対して、政府や気象庁は翌日「熊本地震」と命名し、政府の地震調査委員会は15日、活断層の「日奈久(ひなく)断層群」の北側が横ずれして発生したとの見解を示した。気象庁は「なおしばらく余震は続くので警戒を」という決まり文句は付けていたが、聞いた人は誰しも「本震よりは揺れは少ない」と受け取ったと思う。

 

 しかし16日未明になって気象庁は同日の地震が本震で、14日の益城町一帯の震度7の地震は前震だったと言い出した。だが、それも違うのではないか。新聞もテレビも短い「日奈久断層帯」や「布田川断層帯」などを掲示しているが、15日から16日にかけて地震は熊本県東部の阿蘇や大分県に伸びて発生している。この図を見ると、震源域は中学校や高校の地理で習ったはずの「中央構造線」そのものとしか思えない。

 

 14日夜から16日まで各地で震度6から5弱という、ほぼ同レベルの地震が連発している。16日には阿蘇山で噴煙も上がった。活断層による直下型地震の本震、余震という従来の考え方では「想定」できない地震ではないのか。そういう面も含めて政府、気象庁は構造線に沿った地域に厳重警戒を呼びかけるべきだ。

 

 専門家の中にはそう考える人もいないはずはないと思われるが、テレビや新聞には出てこない。中央構造線の分布をみると、南端に九州電力川内原発があり、中央構造線が四国に伸びた愛媛県の北部に四国電力伊方原発が立地している。川内原発は現在、再稼働中であり、福岡高裁宮城支部は最近「安全」のお墨付きを与えたばかりである。原発再稼働と輸出に懸命な安倍政権をおもんばかって、専門家が口を濁しているとすると万一の場合、取り返しのつかないことになる。

 

 重大な地震・津波災害で思い出すのが、201139日に宮城県や岩手県中心に発生した地震だ。この地震に対して、近い将来100%ぐらいの確率で発生するとされていた宮城県沖地震の前震ではないかとの質問が出ていたが、気象庁は同10日明確に否定した。東日本大震災が発生したのは次の日の11日だった。

 

 被災地の住民や勤務している教員の少なからぬ人たちは、9日の地震で避難計画を見直したが、立地企業を含めて大多数の人は気象庁や地震学者の発表を信じて、特段の見直しをしなかった。あの時、専門家が一言でも「宮城県沖地震」への警戒に言及していたら、犠牲者の数は変わっていたかもしれない。

 

 今回の一連の地震と、東日本大震災(東北地方・太平洋沖地震)の3年前に発生した岩手・宮城内陸地震との類似性を指摘する専門家がいる。立命館大学歴史都市防災研究所環太平洋文明研究センターの高橋学教授だ。

 

 高橋教授によると熊本地震の前に震度1レベルの小さな地震が頻発していたという。熊本では212日以降深さ10キロ程度でマグニチュード(M)1.72.7という規模の小さな地震が発生。福岡や兵庫でも震度1未満の地震が頻発。さらに41日には紀伊半島沖でM6.1の地震が発生し、熊本地震の直前の10日には兵庫県の六甲断層系でM4.3とM3.5の地震が続いたという。こうした一連の地震を踏まえて高橋教授は「台湾から東日本の一部までを全体として捉え、それらの地震を関連付けて考えるのは間違いでないと確信する」ようになったとしている。そう確信する高橋教授の想定は、「今回の熊本地震は南海トラフ地震の『前奏曲的』な意味合いが強い」というものだ(以上、講談社「現代ビジネス」電子版より)。

 

 官製研究者の中にも、高橋教授と同様の見解を持っている専門家はいると思われるが。安倍政権を気遣ってか、誰も発言しようとはしない。16日午前現在、中央構造線に言及している官製研究者もいない。しかし中央構造線上で益城町より南西側でも地震が発生している。少なくとも川内原発の停止が迫られている。

 

2016416日) 

 414日夜、熊本県益城町中心に最大震度7を観測した地震に対して、政府や気象庁は翌日「熊本地震」と命名し、政府の地震調査委員会は15日、活断層の「日奈久(ひなく)断層群」の北側が横ずれして発生したとの見解を示した。気象庁は「なおしばらく余震は続くので警戒を」という決まり文句は付けていたが、聞いた人は誰しも「本震よりは揺れは少ない」と受け取ったと思う。

 

 しかし16日未明になって気象庁は同日の地震が本震で、14日の益城町一帯の震度7の地震は前震だったと言い出した。だが、それも違うのではないか。新聞もテレビも短い「日奈久断層帯」や「布田川断層帯」などを掲示しているが、15日から16日にかけて地震は熊本県東部の阿蘇や大分県に伸びて発生している。この図を見ると、震源域は中学校や高校の地理で習ったはずの「中央構造線」そのものとしか思えない。

 

 14日夜から16日まで各地で震度6から5弱という、ほぼ同レベルの地震が連発している。16日には阿蘇山で噴煙も上がった。活断層による直下型地震の本震、余震という従来の考え方では「想定」できない地震ではないのか。そういう面も含めて政府、気象庁は構造線に沿った地域に厳重警戒を呼びかけるべきだ。

 

 専門家の中にはそう考える人もいないはずはないと思われるが、テレビや新聞には出てこない。中央構造線の分布をみると、南端に九州電力川内原発があり、中央構造線が四国に伸びた愛媛県の北部に四国電力伊方原発が立地している。川内原発は現在、再稼働中であり、福岡高裁宮城支部は最近「安全」のお墨付きを与えたばかりである。原発再稼働と輸出に懸命な安倍政権をおもんばかって、専門家が口を濁しているとすると万一の場合、取り返しのつかないことになる。

 

 重大な地震・津波災害で思い出すのが、201139日に宮城県や岩手県中心に発生した地震だ。この地震に対して、近い将来100%ぐらいの確率で発生するとされていた宮城県沖地震の前震ではないかとの質問が出ていたが、気象庁は同10日明確に否定した。東日本大震災が発生したのは次の日の11日だった。

 

 被災地の住民や勤務している教員の少なからぬ人たちは、9日の地震で避難計画を見直したが、立地企業を含めて大多数の人は気象庁や地震学者の発表を信じて、特段の見直しをしなかった。あの時、専門家が一言でも「宮城県沖地震」への警戒に言及していたら、犠牲者の数は変わっていたかもしれない。

 

 今回の一連の地震と、東日本大震災(東北地方・太平洋沖地震)の3年前に発生した岩手・宮城内陸地震との類似性を指摘する専門家がいる。立命館大学歴史都市防災研究所環太平洋文明研究センターの高橋学教授だ。

 

 高橋教授によると熊本地震の前に震度1レベルの小さな地震が頻発していたという。熊本では212日以降深さ10キロ程度でマグニチュード(M)1.72.7という規模の小さな地震が発生。福岡や兵庫でも震度1未満の地震が頻発。さらに41日には紀伊半島沖でM6.1の地震が発生し、熊本地震の直前の10日には兵庫県の六甲断層系でM4.3とM3.5の地震が続いたという。こうした一連の地震を踏まえて高橋教授は「台湾から東日本の一部までを全体として捉え、それらの地震を関連付けて考えるのは間違いでないと確信する」ようになったとしている。そう確信する高橋教授の想定は、「今回の熊本地震は南海トラフ地震の『前奏曲的』な意味合いが強い」というものだ(以上、講談社「現代ビジネス」電子版より)。

 

 官製研究者の中にも、高橋教授と同様の見解を持っている専門家はいると思われるが。安倍政権を気遣ってか、誰も発言しようとはしない。16日午前現在、中央構造線に言及している官製研究者もいない。しかし中央構造線上で益城町より南西側でも地震が発生している。少なくとも川内原発の停止が迫られている。

2016416日)